2025.12.1
山岡航太郎(やまおか こうたろう)、現役引退のお知らせ
日頃よりジュンスポーツ北海道をご支援いただき、誠にありがとうございます。
このたび、山岡航太郎(やまおか こうたろう) 選手が、2025年12月15日をもちまして現役を引退することとなりました。
2021年、静かに、しかし確かな覚悟を胸にジュンスポーツ北海道へ加入した男がいる。
派手な言動はない。
誰よりも淡々と練習を積み重ねるタイプだ。
気がつけば、その“静かな存在感”がチームを支える柱になっていた。
主戦場はつり輪。
体操競技で最も誤魔化しが効かず、最も過酷な種目。
わずか1ミリの揺れすら許さない静止。
山岡は、その静寂の中に身を置くことを恐れなかった。
浮き沈みのあるシーズンもあった。
結果が思いどおりにいかない日もある。
それでも彼は、言い訳も弱音も吐かず、
ただ自分の技と向き合い、黙々と前に進み続けた。
その姿勢が、若手たちの手本となり、
チーム全体に“ブレない強さ”をもたらしていった。
しかし——
山岡の魅力は競技だけではない。
午後になると、ジュンスポーツクラブの一般クラスの子どもたちが
「やまおかコーチいる?」
と笑顔で駆け寄ってくる。
競技中はまるで別人だ。
鋭い目つきで、つり輪の静止にすべてを注ぐ。
張り詰めた空気をまとったまま、
1秒、2秒…
完璧な静止姿勢を成立させる。
その姿は、子どもたちも思わず息をのむほどの“真剣そのもの”だ。
だが、練習後のやまおかコーチは違う。
小さな子どもと目線を合わせ、
「できたね!」「ここ上手だったよ!」
と、優しく笑って寄り添う。
子どもたちに向ける柔らかな笑顔と、
競技で見せる鬼のような集中力。
そのギャップこそが、
子どもたちが夢中になる理由だった。
ジュンスポーツクラブで“最も慕われるコーチのひとり”になったのも、自然な流れだった。
そして迎えた2025年。
山岡は静かに、しかし強い決意で引退を選んだ。
これまで山岡が体操に注いできた情熱、努力、鍛錬の積み重ねは、
ジュンスポーツ北海道の歴史そのものを形づくってきた。
努力は音を立てない。
だが、確かに人を動かす。
私たちは、それを山岡航太郎という1人の選手から教えてもらった。
長年にわたり挑み続けたその姿勢に、
チーム一同、心より敬意を表します。
そして、彼がこの先歩む新しいステージを、
私たちはこれからも変わらず応援し続けます。
これまで山岡を支え、応援してくださった皆さまへ、
深く御礼申し上げます。